はじめに
個人事業主が税務で必ず理解しておきたいのが「減価償却(げんかしょうきゃく)」です。
パソコン、カメラ、車、工具、設備など、
長く使う資産は買った年に全額を経費にできません。
その代わりに、数年に分けて経費化するルールが減価償却です。
この記事では、
- 減価償却の考え方
- 10万円・30万円ルールの違い
- 法定耐用年数の読み方
- 償却費の計算方法(定額法)
- よくある減価償却の項目
- 仕訳例(色付き)
▼ この記事の目次
1. 減価償却とは?基本の考え方
減価償却とは、
高額で長期間使うものを、数年に分けて経費にしていく仕組みです。
例)パソコン 200,000円 → 耐用年数4年 1年あたり 50,000円ずつ経費にする
「買った瞬間に価値がすべて消えるわけではない」ため、
長く使う資産は費用の配分が必要という考え方です。
2. 個人事業主の「10万円ルール」「30万円ルール」
高額資産でも、一定条件を満たすとその年に全額経費にできます。
■ ① 10万円未満 → 全額経費
10万円未満の少額資産は減価償却不要で全額経費にできます。
■ ② 10万円以上〜20万円未満 → 3年均等償却
この帯だけ特別ルールがあり、3年間で均等に経費化できます。
■ ③ 30万円未満 → 少額減価償却資産(年間300万円まで)
青色申告の場合、
30万円未満の資産は、年間300万円まで全額経費にしてOK。
パソコン・カメラ・機材などは、30万円以内に抑えると税務的に有利です。
3. 法定耐用年数の調べ方と代表例
減価償却を行うには耐用年数を知る必要があります。
■ 主な耐用年数(抜粋)
- パソコン:4年
- カメラ・撮影機材:5年
- 車(乗用):6年
- 車(事業用・貨物):4年
- 机・いす:8年
- 工具・器具:5年
耐用年数表は国税庁の資料に掲載されており、 ジャンルごとに分類されています。
4. 減価償却の計算方法(定額法で解説)
個人事業主は定額法が原則。 毎年同じ金額を経費にします。
■ 計算式
減価償却費 = 取得価格 ÷ 耐用年数
例)パソコン 200,000円 / 耐用年数4年 → 1年あたり 50,000円
■ 初年度は月割計算
取得した月によって、初年度の償却費が変わります。
例)7月に購入 → 利用期間は6ヶ月分 50,000円 × 6/12=25,000円
これを毎年計算していきます。
5. よくある減価償却の対象資産とポイント
- パソコン:30万円以内に抑えると有利(少額資産)
- カメラ・レンズ:動画クリエイターは必須の減価償却資産
- 車:プライベートと混在するので按分必須
- 机・椅子・棚:意外と高額なので償却対象になりやすい
- ソフトウェア:パッケージ版は減価償却、サブスクは経費
とくに「車」は単価が高いため、償却の影響が大きい項目です。
6. 減価償却費の仕訳(色付きで解説)
■ 例:パソコン 200,000円を購入(耐用年数4年)
借方:工具備品 200,000円 / 貸方:普通預金 200,000円
■ 年末に計上する減価償却費(1年分 50,000円)
借方:減価償却費 50,000円 / 貸方:減価償却累計額 50,000円
初年度は月割、次年度からは毎年同じ金額を計上します。
7. まとめ:減価償却は個人事業の必須知識
- 高額で長く使うものはその年に全額経費にはできない
- 10万円・20万円・30万円ルールを理解する
- 耐用年数は国税庁の表で決まっている
- 個人事業主は「定額法」で計算する
- 高額資産は初年度だけ月割計算
- 仕訳は「工具備品」と「減価償却累計額」を使う
減価償却が分かると、経費計上の幅が一気に広がり、節税効果も大きくなります。 特にパソコン・カメラなど高額品が多い事業主は必須の知識です。
